ある先生の昼休み

ちょっとの時間でちょっとためになる(かも)先生のお話

「普通」を褒めることができる人でいたいお話

私が子どもを教育する上で大事にしていることの1つに「特別支援教育の目線からの指導」があります。

 

特別支援教育に対する皆さんのイメージってどんなものでしょうか。

 

言葉が通じない、食事の介助、トイレの介助、など、割とマイナスなイメージを持っている方が多いのではないかと思います。

学校は勉強を教える場であるはずなのに生活の介助って、本当に教育?と思われる方も多いかもしれません。

 

しかし、私は子どもの育成において欠かせないエッセンスが特別支援教育の核となっていると感じています。

 

それはハードルを下げること。(書き方は良くないかもしれませんが…)

 

できて当たり前、いわゆる「普通」がどれだけ尊く、子どもの成長の結晶なのか。

例えば排泄を行うという、私たちにとって造作もない行為は7つのステップがあると言われています。

1. 尿意・便意に気が付く

2. トイレという存在を認識し、その場に行く

3. トイレに入り、衣類を脱ぐ

4. 排泄を行う

5. 衣類を着る

6. 排泄物を流す

7. トイレから居住スペースに戻る

このどれか1つでも欠けてしまうとトイレは「失敗」です。排泄を行うことはかなり高度なんです。

 

このように物事を細分化させて見てみると、毎日授業を座って聞いて、場合によっては復習なんてして、提出物を出さないにしても期日に追われている感覚はある、ってすごいことに感じませんか?

学校側が求めているハードルって実はものすごく高度なんですよ。でも、教員になる人ってそれを難なくこなしてしまっていた人たちですから、そのすごさに気付いてあげられないことも多いんです。

 

でもやっぱり、ずっとそこに甘んじていては逆に成長を妨げてしまうこともあるわけで…「普通」を認めて褒めてあげるのはタイミングの見極めが重要だと思います。

普段の会話で「……でも○○ってやらなきゃいけないこと分かってるからそれだけでもすごいよな~、まあ、しっかりやれてたらなおさらすごいよね…」などと独り言のように話してあげるのがいいのかな、と思います。

 

「普通」って、実はとてもすごいことだよ、というお話でした。